ゲームアプリ市場全体は好調だけど、2021年の日本市場はかつてないほど競争が激化する
こんにちは
マーケティングスペシャリストのトロネコです。
2020年も残り僅かとなりました。
そこで今回は2021年、スマホゲーム業界がどうなっていくのか?長年、マーケティングをやってきたトロネコの視点で大胆にも予測してみたいと思います。
予測というよりも今回の内容は
時間のズレはあるものの間違いなく起こりうると考えています。
ぜひ、対応できる対策を十分にとって欲しいという想いで、いま書いています。
2021年、勝負をかけるゲーム会社も多いと思いますが、ぜひ十分な準備をして後悔ないように勝負に挑んでください。結構、市場が大きく動く1年になると思っています。
2019〜2020年の日本ゲーム市場動向
2020年6月に発行されたファミ通白書によると2019年は家庭用ハード、家庭用ソフトともにほぼ横ばいなのに対して、オンラインプラットフォーム、いわゆるスマホゲームを中心としたオンラインゲームが大きく成長しました。
出典:ファミ通白書2020
2020年はコロナ禍による巣篭もり需要の影響もあり、スマホゲームだけでなく、ニンテンドースイッチ、PS5によって市場全体は2019年をさらに超える着地になることは間違いないでしょう。
2021年のゲーム市場はどうなる?
そこで気になるのは2021年のゲーム市場です。
現状のコロナ禍の状況を鑑みると、ゲームに対する巣篭もり需要は2021年も継続すると見るのが自然でしょう。急激な市場拡大とまではいかなくても、ゆるやかに拡大傾向に向かうと思われます。
特に家庭用ゲームについてはニンテンドースイッチが好調ですし、PS5も登場しましたので上昇傾向は続くと思います。
ただし、ここで重要なのはスマホゲームに限っては状況は決して楽観的ではないという点です。
その理由は2021年は2020以上に厳しい市場競争が起こると予想されるからです。
ユーザーのプレイ時間は有限ですし、成熟した日本ゲーム市場でこれ以上、ゲーム人口が増えるということは考えにくく、さらにニンテンドースイッチやPS5の台頭もありますので、ゲームの可処分時間の奪い合いが想定されます。
既に現時点でもスマホゲーム市場における競争は激化していますが、それ以上になるというイメージです。その理由について解説していきましょう。
スマホゲーム市場の競争激化の原因はゲームタイトルの大型化と中国ゲーム会社の日本参入
スマホゲームの開発、プロモーションの大型化
一つ目の原因がスマホゲームの開発が長期化、大作化、プロモーションコストの巨大化によってスマホゲームが家庭用ゲーム以上に巨大化するということが間違いないという点にあります。
既にスマホゲームでも「原神」のような家庭用ゲーム機並のオープンワールドゲームが配信され世界的なヒットになっていますが、今後、スマホゲームにかけるコスト(開発費+宣伝費)の平均コストはさらに上がっていくと思われます。
その結果、クオリティの高いゲームが多数配信され、高コストをかけたマーケティングによるユーザー獲得の争奪戦も間違いなく増えるでしょう。
・開発力
・開発資金
・マーケティング力
・マーケティング資金
2021年、こういった要素が勝負を大きく分ける場面に何度も遭遇するかもしれません。
中国ゲーム会社の日本市場に対する進出がさらに加速する
近年、中国のゲーム会社が続々と日本市場でゲームアプリを配信しています。多くのケースは中国で配信した後、日本でも配信するという流れでしたが、今後、この流れが変わってくると思われます。
中国では配信するために「版号」という審査を通過しなければ配信することができませんので、中国でゲーム配信をしたい中国企業や日本企業はゲームタイトルごとの「版号」の獲得が必要になります。
この「版号」が中国のゲーム会社でさえ近年、非常に取得しにくくなっており、今後、完成したゲームアプリが中国よりも日本で先行配信する流れが起きています。
これによって、現時点でも中国のゲーム会社が開発したゲームが日本市場で続々と配信され、大きな影響力を持っていますが、これが2021年はさらに加速するというわけです。
中国のゲーム会社が開発したゲームが日本で先行配信されるという状況がさらに加速します。
これによって、2021年の日本のゲームアプリ市場は世界的にみても、例を見ないほどの激戦市場になる可能性があります。
パワーマーケティングによるユーザー獲得の限界
大規模なTVCMやデジタル広告
Youtuberやキャラクターコラボによる施策など
近年、スマホゲームでは莫大なコストをかけたパワーマーケティングが当たり前になっています。
しかし、これらパワーマーケティングやコラボによる効果が売上、利益として見込みにくいという事実に、多くの人は気づき始めていると思います。
・TVCMを大量投下してもユーザーが取れにくくなっている
・コラボをやっても以前よりも効果が明らかに落ちてきている
・ユーザーが取れても継続率が以前と比べて落ちてきている
見た目が賑やかなパワーマーケティング、キャラクターコラボだけでは、ゲーム運営の本質に踏み込んでいないため、KPIやROIの観点において限界があるのです。
とはいっても、今後、中国ゲーム会社が続々と日本市場でゲーム配信する状況において、すぐにパワーマーケティングがなくなることはないでしょうし、日本のゲーム会社もさらに開発費やマーケティング費用を投下するでしょう。
「ゲーム開発やゲームマーケティングにお金をかけない」という判断は無いとしても、お金をかけただけでは成功ができない、という現実を見せつけられることになります。
・TVCMを大量投下してもユーザーが取れにくくなっている
・コラボをやっても以前よりも効果が明らかに落ちてきている
・ユーザーが取れても継続率が以前と比べて落ちてきている
といった状況は、2021年はさらに加速します。
ならばどうすればいいのか?
ここからが今回のテーマの本題です。
2021年は自社タイトルにあった戦い方(マーケティング戦略)を選択することが重要
ここからは各ゲーム会社が取るべき「2021年の戦い方」について解説していきましょう。
先に結論をお話しすると
お金を使うにしても、どこに、どうやって、どのタイミングで使うのか?マーケティング戦略が重要になります。
同じ1億円でもマーケティング戦略次第で、1億円の価値が大きく変わるというわけです。
全てのゲーム会社に共通すること
全てのゲーム会社にとって共通した対策方法として、簡単にまとめると次のようになります。
【既存ゲーム運営】
DAUに過度に依存せず、どうやって限られたファンとどうやって末長くお付き合いをしていくのか?
【新規ゲーム配信】
いま以上にゲーム配信初動が重要になります。
ただしゲーム配信初動で成功を収めても安心できず、もっと重要なのは配信初動から1ヶ月〜2ヶ月までの状態維持であり、ここでDAUと売上を維持できるかが重要となります。
凄く簡潔にまとめていますので、これが全てではありません。ただし、この考え方を軸に掘り下げて行動していく必要があります
日本のゲーム会社が注力すべきこと
2021年、中国のゲーム会社が続々と大作ゲームを日本市場に参入してくるにあたって、日本のゲーム会社が注力するべきことは次になります。
・既存ユーザー、既存ファンを大切にして顧客リレーションに注力する
・長年に渡って日本のゲーム会社が日本市場で築き上げたブランド価値に注目し、再構築と価値の向上に努める
・日本のゲームファン、ゲームユーザーの嗜好性、ニーズを熟知しているアドバンテージを活かす
できることはもっとありますが、サマリーとしてまとめると上記になります。
決して悲観することなく、自分たちのゲーム作りやできること、資産を活かす戦略で立ち向かえばいいのです。
中国のゲーム会社が注力すべきこと
2021年、中国のゲーム会社が日本市場で成功を収めるために必要なことは次になります。
・日本のゲームユーザーや、ゲーム市場をもっと知る
・ユーザー獲得、数字作りだけでなくゲーム事業の本質に踏み込む
ここに踏み込むことで日本市場における成功確度をあげる事ができます。そのためには、論理的、かつ日本のゲームユーザーの感情的な部分を合わせたマーケティング戦略とそれを実行する施策が設計できるか次第です。
これまでのようにTVCMやOOH(屋外広告)、youtuber、デジタル広告といった「施策ありき」では戦えない状況になります。決して手段は間違っていないけど、どうやって戦うのか?戦略が重要になるというわけです。
2021年ゲーム市場まとめ
・2021年、日本のゲーム市場は上向き傾向
・中国ゲーム会社の日本進出が加速して、市場競争は激化する
・パワーマーケティングに限界あり
つまり、ゲーム開発、ゲームプロモーション、ゲーム運営におけるゲームマーケティングの重要性が非常に高くなると予想されます。
いままでやってきた施策は手段としては間違いではありません。決して手段は間違っていないけど、どうやって戦うのか?マーケティング戦略が重要になるというわけです。
自社のゲームタイトルにあったマーケティング戦略ができるかが重要です。ここの重要性に気づいて、いまから対策をとって2021年に備えるべきです。
今回、「2021年の日本のゲームアプリ市場予測」というテーマで書いてみました。全部、書ききれていませんが、大枠についてはお伝えできたと思います。
書いたことはあくまでもトロネコの予測です。よってこの通りの世の中になるのかは保証するものではありません。ただし、間違いないことは
ゲームアプリ事業においては、これから本当にマーケティング領域が非常に重要となるという点です。
ここに、気づいて既に行動している人もいます。
一方で、気づいていない、気づこうとしない人もいます。
でも、この違いが今後のゲーム事業においては大きな分かれ道になると思いうのです。
もし、ゲームマーケティングについてお悩みがございましたらメール、またはLINEチャットで気軽に無料相談できる「トロネコのカベウチ」をご利用ください。
少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。