【視点を変えよう】ゲーム事業は必ずしも「新規ユーザー」を獲得しDAUを維持する必要はない理由

マーケティング

こんにちは
マーケティングスペシャリストのトロネコです。

今回は最近気になっている「過度にDAUに依存したマーケティング思考」についてお話したいと思います。最初に結論をお伝えすると

「DAUが下がると不安であり」
「DAUを維持することがプロモーションの目的になってしまう」

といった状態は意味がないという話です。

今回の話はゲーム事業だけでなく、Webサービスにも置き換えることができます。PVばかり追いかけてしまい、PVが上昇カーブを描かないと業績に陰りを感じてしまうというものです。

でも冷静になって考えてみてください。

マーケットは無限ではありません。有限です。
必ず上限に達する時がきます。

つまりDAUやPVを維持し上昇カーブを描き続けることは物理的に不可能なのです。

重要なのは事業としてどのように維持、成長して利益を出していくのか、という話であり、実は必ずしもDAU、PVの維持、上昇カーブではないのです。

今回は実際にスマホゲームの運営現場で陥りがちな間違いについてお話します。

なぜ、DAUを維持できないと人は不安になってしまうのか?

「DAUが上がったら嬉しい」

DAUの改善はユーザーを維持、獲得した結果であり、DAUの改善はゲーム開発、運営、マーケティングチームの成果でもありますから、純粋に嬉しいものです。

「DAUが下がったら悲しい」

その一方で、DAUが悪化してしまうのは目標設定していたユーザーが獲得、維持できなかった結果ですからDAUの悪化はゲーム開発、運営、マーケティングチームの失態と考えがちです。

このようにDAUの増減が評価と紐づいている会社があるとするなら常にDAUの変化に対して一喜一憂しなければなりません。

そしてDAUはあがれば計算上、売上もあがりますから売上が評価指標になっている組織においては、DAUを維持できないとメンバーは不安になってしまいます。

でも、本当にDAUを維持改善して売上のトップラインを上げる事は評価されることなのでしょうか?

もし、あなたの会社が売上のトップラインだけを評価指標としてみているなら危険です。

なぜなら先に結論をお伝えすると

「アプリのフェーズによっては開発マーケターの能力に比例せず、DAU、売上のトップラインを上げる事は用意なフェーズがあります。そして、お金を使えばDAUも売上もあがったように見せる事ができるからです。

凄くネガティブな言い方をあえてするならば、能力が低くてもお金を使う事で売上も評価もあがるフェーズがあります。

しかし、スマホゲームは3年、5年と長期運営の結果、最終的な累積利益で判断する必要があります。

よって、DAU、売上ではなく「利益金額」で評価判断する必要があります。むしろDAUをあえて下げても利益を取りにいくという戦略はアリで、評価されるべきことなのです。

 

DAUを追うのをやめても売上は変わらず利益が増えた理由

ここで、ちょっと興味深い事例を上げてみましょう。

DAUを維持するために、毎週、ログインボーナスを実施したり、定期的に魔法石を配ったりしているタイトルがありました。

ログインボーナスの報酬効果で、ユーザーは毎日、そのゲームにログインして意思を受け取って、石が溜まったら毎週無料ガチャを引いていました。

これによってDAUは維持され、むしろ魔法石の配布量を増やした時はDAUが改善するときもありました。

でも、ある時から、ログインボーナスや石の配布を辞めることにしたのす。

その結果どうなったと思いますか?

「DAUは下がりました」
「でも売上はあがったのです」

結果、利益はあがり、ログインボーナスや石の配布を辞めた事で、そのスマホゲームは表彰されることになりました。

この話はフィクションですが、結構、本質の的を得ている話です。

ログインボーナスや石配布で維持していたDAUはそもそも維持する価値がないDAUだったわけです。むしろログインボーナスや石配布でゲーム内の経済状況が悪化してしまい、本来お金を使ってくれる優良ユーザーのモチベーションを下げていたのです。

もしかすると、皆さんが必死で維持しているDAUは、維持する価値がないDAUなのかもしれません。

ログインボーナスや石配布を辞めてDAUが減少する事は現場担当からすると非常に不安です。しかし本質に目を向けることが重要であるという事を改めて再認識させられるエピソードだと思いませんか?

 

DAU維持、改善には新規ユーザー獲得が必要という誤解

世の中の多くのゲーム開発、運用担当、マーケターが誤解していることがあります。

それは、DAUを維持するためには「新規ユーザー」が必要であるということです。DAUの維持、改善には「新規ユーザー」をつぎ込まなければならないという考え方です。

これは、半分正解ですが、半分間違いです。

①数字上の成果が出ているように見せるには「新規ユーザー獲得」をすればDAUが作れます。

でも新規ユーザーって翌日には50%、1週間後には70%が辞めますし、アプリ運営期間が長くなってくると、さらに残存率は悪化します。よって、瞬間的にはDAUが作れても、結果的にDAUが積みあがって改善されているのかは怪しいのです。

②DAUを構成するユーザーは次の3つである、という話をこちらの記事でお話しました。

DAUは「新規ユーザー」「既存ユーザー」「復帰ユーザー」から構成されます。

特に「既存ユーザー」は離脱せず残って定着しているユーザーですから、冷静に考えればインストール翌日に50%が辞める「新規ユーザー」よりも定着率が高く、かつ課金額も高い優良ユーザーといえます。

つまり、新規ユーザーを獲得するよりも、既存ユーザーを維持することがDAU維持には有効であり、かつてプレイした離脱ユーザーにもう一度遊んで貰い「復帰ユーザー」として取り込むことは、新規ユーザーを獲得するよりも価値があるとも言えます。

※復帰ユーザーは辞める経験をしてしまったユーザーなので、「やめ方」「やめてからの期間」などによって価値は変動します。

つまり、DAUを維持、改善することは「新規ユーザー」を獲得すること、とはならないという事に気づくと、視点が大きく変わるのです。

まとめ:本当の目的はDAUではなく利益獲得

「DAUは下がっても、そのDAUは維持するべきDAUだったの説」

を突き詰めていくと、維持するべきものはDAUではなく、売上であり、かつ利益であることに気づきます。

「お金を使えばDAUはつくれる」

というのは事実なので、「少ないコストでいかに利益を出せるのか」という視点に変えられるとPVやDAUに依存しないゲーム開発、運営、マーケティングができるようになります。

これこそ、本来、ゲーム事業としてあるべき健全な姿です。

というわけで、今回はここまで!

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