【第3回:事業計画の作り方】各プロモーション施策のブレイクダウンと実行・推進方法

マーケティング

こんにちは
マーケティングスペシャリストのトロネコです。

連載企画の最終回となる第3回目は「作成した事業計画をどうやって実行推進していくのか」その方法やテクニックについてお話します。

実際のところ「事業計画を作ることが目的になってしまうケース」も多く、その結果、達成できなければ何も意味がありません。また実現困難な計画を作ってしまう事は会社だけでなく、現場担当にとっても悲しいことです。

そして、作った計画を「実行できる状態作り」までが「事業計画」です。
会社に提出する数字とその算出根拠を用意することが「事業計画」ではないことを十分認識しておきましょう。

前回までの記事はこちらをご覧ください。

【第1回】マーケティング戦略策定と試算シミュレーションに向けた事前準備【第2回】事業計画を構成する獲得ユーザーの試算・積み上げ方法とテクニック

日別の見込み数値を施策ごとで分解してみよう

前回、事業計画における「見込みユーザー」についてお話をしましたが、下記のようにユーザーを分解しました。

新規ユーザー獲得
┗①定常施策で獲得が見込める自然流入ユーザー(=オーガニックユーザー)
┗②プロモーション施策で獲得が見込めるユーザー(=広告獲得ユーザー)
┗③宣伝費や施策でさらに獲得が見込めるユーザー(=アドオンユーザー)離脱ユーザー復帰
┗①定常施策で獲得が見込める自然流入ユーザー(=オーガニックユーザー)
┗②プロモーション施策で獲得が見込めるユーザー(=広告獲得ユーザー)
┗③宣伝費や施策でさらに獲得が見込めるユーザー(=アドオンユーザー)

そして、下記のように日別で見込み数字を算出しました。
忘れた!思い出せない!という人はこちらから前回の記事を復習しておきましょう!

◆日別見込み

新規ユーザー 復帰ユーザー
オーガニック 広告 合算 オーガニック 広告 合算
4/1
4/2
4/3

 

そこで、今回、これらをさらに分解して、どのような施策で各目標数値を達成していくのか「施策ベース」に落とし込む作業についてお話をします。

ちなみに、逆に施策ベースからできることを積み上げて、上記の数字を作成するのもOKです。順番はどっちでも構いませんが、必ず第1回で作成した「マーケティング戦略」に添った「戦術」「アクションプラン」になるようにしてください。

具体的に各項目ごとの手段を洗い出してみると次のようになります。

これはあくまでもトロネコが仮で出している一例です。第1回目で作成した「マーケティング戦略」に添う形の施策検討の種になろそうなものや、相性の良さそうな媒体をどんどん洗い出してみましょう。

新規ユーザー獲得・離脱ユーザー獲得
┗①定常施策で獲得が見込める自然流入ユーザー(=オーガニックユーザー)
┗SNS運用 ※新規ユーザー獲得なのでTwitter想定
┗ASO対策 ※こちらの記事で詳しく書いています。
┗無償PR領域 ※雑誌記事やプレスリリース等┗②プロモーション施策で獲得が見込めるユーザー(=広告獲得ユーザー)
┗デジタル広告全般
┗Youtuber施策
┗Webコンテンツによるバズ施策
┗SNS運用 ※お金をかけた運用
┗リアルイベント
┗マス広告全般(TVCM、OOH、雑誌広告など)┗③宣伝費や施策でさらに獲得が見込めるユーザー(=アドオンユーザー)
┗上記に当てはまらないもの全般 ※タイトル特性によって変動

こんな感じで、各ユーザーに対して効きそうな施策を洗い出していきます。
上記はあくまでもサンプル例なので、実際にはもっとあります。

これを以下のシートの各項目を細分化しながら見込み数を入れていきます。
新規ユーザーと離脱ユーザーはユーザー属性が異なるので、両方に効く施策もあるかもしれませんが、片方にしか効果がない施策もあるはずです。

◆日別見込み

新規ユーザー
オーガニック 広告 アドオン 合算
ASO SNS PR デジタル広告 Web施策 SNS その他施策
4/1
4/2
4/3

運営タイトルのオーガニックについては前年実績からの減衰率をかけて出せますし、新規タイトルもその他タイトルの実績や他社タイトルからも算出できます。そして、これらは「手なり施策」でも獲得できてしまう数字だったり、IP力によってもオーガニック流入は期待できます。

よって、オーガニックの日別項目は、今回の場合「ASO/SNS/PR」で獲得するというよりも、オーガニックに効く手段として認識しておくだけで結構です。(この認識がのちほど重要になります)

広告とアドオンについては、洗い出した施策で獲得が見込める数値を入れていきます。デジタル広告は過去実績から推測できますし、Web施策も過去施策の効果から「失敗」「成功」「大成功」の獲得規模感がわかるはずです。

といった感じで日別で数字を入れていき、マーケティング戦略に基づいて、何ができて、何が目指せるのか洗い出す作業をしましょう。

洗い出し終わったら

・その数字が適正なのか
・もっと上を目指せないのか
・その数字を達成するにはどうすればいいのか?

といった「全体の親マーケティング戦略」に基づいて、さらにブレイクダウンした各施策ごとの「子マーケティング戦略」を作って達成するための詳細を詰めていきます。これら作業を行えば、各施策におけるコストも見えてきます。

例えばWeb施策で期待できる新規ユーザー数が1万件
過去のデジタル広告での獲得単価CPI500円
Web施策ではバズ施策を設計してデジタル広告の半分のCPI250円で獲得しよう

といった設計をするとWeb施策にかけられるコストは250万円になります。

この数字はダミーですが、こんな感じで獲得目標に対するコストの目安をつけていきながら最終的に実現性と精度をあげ行く作業をします。

施策案や過去実績等で目安がつくような「目利き力」を普段から鍛えておくと、簡単に導き出せます。

既存ユーザー向けの施策も忘れずに洗い出そう

第2回の記事で獲得ユーザーの積み上げにはつながらないけど、事業計画を構成し、達成するためには「既存ユーザー」向けの施策もセットで考えよう!という話をしました。

よって、「新規ユーザー」「離脱ユーザー」の獲得には効かないけど、「既存ユーザー」に効く施策も洗い出して、そのコストを見込んでおく必要があります。

既存ユーザーは既に獲得済みなので新規ユーザーのようにCPI計算でコスト算出ができないのですが、その場合は、例えばこんな考え方でコスト算出もできます。

「既存ユーザーのうちライトユーザーはそのまま放置していれば今後1か月で統計上、X%が辞めるので、その離脱率をX%まで軽減しよう。

ここで離脱を防げたユーザーはX人であり、彼らによる将来売上見込みが1000万円なので、500万円のコストをかけて離脱を防げればROI2.0であり十分価値がある」

みたいな感じです。
数字はダミーですが、このような何かしらの考え方があった上でコストの根拠を示せる必要があります。

ちなみに具体的に下記のような施策があげられます。(あくまでも説明上の事例ですので、これ以外にもあります)

・ゲーム内施策全般
・ゲーム内機能
・SNS運用
・リアルイベント
など

このあたりは以前に書いた「既存ユーザーを維持する施策」の記事でかなり詳しく書いています。

ちなみに、1点だけ注意して欲しいことがあります。それは新規、離脱、既存ユーザー共通で重要なこととして「お金で解決できること」と「お金ではなく人間の工数がないと解決できないこと」が混在しているという点です。
事業計画では最終的に「必要な宣伝費」を明確にして会社に申請する必要がありますが、宣伝費以外に「人のリソース」も必要な場合は会社に対して「必要である旨」を伝えなければなりません。

極端な例をあげると

「宣伝費は0円でいいけど、Web制作ができるデザイナーさんを1人つけてください」

というのもアリなのです。
ここは意外と見落としがちですので注意してください。

各施策ごとの目標値ができたらやること

ここまでの時点で、新規、離脱、既存ユーザーに対する「目標値」とそれを実現するための「施策のヒント」が見えている状態です。

事業計画達成に向けて、これから1年、しなければならないことが見えてきましたね。しかし、マーケターひとりでそれは実現できませんし、マーケターが素晴らしいアイディアを持ったクリエイターかというと必ずしもそうではありません。

よって、各分野のプロフェッショナルを社内、もしくは社外から招集してチームが結成する必要があります。既にSNS担当、デジタル広告担当、PR担当など担当がアサインされてチームが結成されているならば、彼らが持っている能力を引き出すのもマーケターの役割です。

全体のマーケティング戦略を話す

各施策ごとの戦略、目的、目標を伝える

各メンバーにこれらを理解してもらい、ジブンゴト化してもらう

それを実現するためのアイディアや施策案を出してもらう

各メンバーといっしょに事業計画を達成する方法を生み出す

ここまでできれば、事業計画を達成するための「打ち手」に迫ることができます。

マーケターであるあなたが、アイディアを出さなくても各分野のプロフェッショナルの力を借りつつ、彼らの得意領域において能力を引き出すだけでいいのです。

マーケターであるあなたがするべきことは、各メンバーが間違った方向に議論や行動が進まないよう、マーケティング戦略をつくったあなたが「マーケティング戦略の水先案内人」となって、進むべき道を示してあげるだけです。

これによってHOW思考にならず、でも論理的思考にも寄り過ぎず、メンバーのポテンシャルを引き出しながら、自分ひとりではできない施策を考え、実行することができます。(もちろん、企画が得意なら、自ら企画のタネを提案するのもアリです)

結果的に目標達成のために施策を考えたのは各メンバー自身でありジブンゴト化させされて、メンバーの意思を持ってコミットした状態がつくれます。誰かが決めた数字ではなく、自分で決めた数字や施策ほどジブンゴト化しやすいものはありません。

ここまでできれば各メンバーのモチベーションも上がっている状態であり、事業計画の実現に向けての一歩を踏み出せます。つまり、ここまで来てようやく「事業計画」を「実行できる状態作り」にたどり着くことができます。

会社に提出する数字とその算出根拠を用意することが「事業計画の業務のすべてではない」ことを認識しておきましょう。なぜなら、「実行できる状態作り」までつくれなければ事業計画は「絵にかいた餅」で終わってしまうからです。そして、ここまで持ってくるのがマーケターの役割であることも理解しておきましょう。

まとめ

今回、3回にわたって「事業計画の作り方」についてお話しました。ハードルが高く、時間もかかりそう、面倒臭いような印象を持ったかもしれません。しかしこれがマーケターとして最低限やるべき「事業計画の作り方」です。

このように「作り方」が決まれば、各担当ごとのスキルに依存せず、「ある程度の精度を持った事業計画」が会社全体でつくれるようになります。

前回までの記事はこちらをご覧ください。

【第1回】マーケティング戦略策定と試算シミュレーションに向けた事前準備

【第2回】事業計画を構成する獲得ユーザーの試算・積み上げ方法とテクニック

というわけで、今回はここまで!

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