マーケティング視点で分析「売れるゲーム企画書の書き方・作り方」

ゲーム開発

こんにちは

マーケティングスペシャリストのトロネコです。

今回はいつもと趣向を変えて「ゲーム企画書の作り方」についてお話します。

とはいえ、トロネコはマーケターなので

「つくるマーケティング」にそった形で

マーケティング視点で分析した「売れるゲーム企画書の書き方・作り方」というテーマでお話をします。

ゲーム事業の8割はゲーム本編プロダクトで決まる

トロネコのマーケティング大学を愛読していただいている皆さんなら、もう説明不要だと覆いますが

マーケティングとは「ゲームが売れる仕組み作り」であり

「ゲームが売れる仕組み」は次の3つから構成されます。

「①つくるマーケティング」「②とどけるマーケティング」「③とどけつづけるマーケティング」

それって何?

という方がいましたらこちらの記事をご覧ください。

今回の「売れるゲーム企画書の作り方・書き方」というお話は「①つくるマーケティング」の一番最初の出発点になりますので、ここを間違えると、この後ずっと間違い続けて、苦労することになります。

いちばん最初の「ゲーム企画書」作成で考慮するべき5つのこと

一般的なゲームの企画書の作り方については「ゲームプランナー」の方にお任せするとして、トロネコが今回お話したいのは「ゲームプランナー」さんにインプットすることで

「売れるゲーム企画書が作れる」

という内容です。

今回ご紹介する観点を盛り込むことで、そのゲームの企画書を通しやすくなったり、そこから作られるゲームのビジネスにおける成功確度がアップします。

①ジャンル

まず一つ目がゲームジャンルです。

そのゲーム企画のゲームジャンル選びは最も重要です。なぜなら選んだジャンルによって「市場規模」「ターゲットユーザー」がある程度絞られてしまうからです。

ゲームジャンル=嗜好性の塊

といった表現が適切かもしれません。

わかりやすい例をあげると

RPG好きは次に遊ぶゲームもRPGをまず探します。いきなりシューテシングゲームを遊び始めたりはしにくいです。

恋愛映画が好きな人は、次に観る映画も好きな恋愛映画を軸にした選定になりますが、いきなりホラー映画を観ようとは思いません。

(まぁ、いろいろな人間がいますので例外はありますよ)

つまりゲームジャンルを選んだ時点で

「ビジネス規模」

「ターゲットユーザーのボリューム」

「かけられるコスト」

「収益構造」

などが大体決まってくるというわけですね。

しかし、ここをあまり意識してゲームジャンルを選んでいる人がいない事に結構な頻度で驚かされます。

本来であればアクションRPGを選ぶべきなのに

カードゲームを選んだことで市場規模を自ら制限しているようなケースがあります。

選んでいる本人はゲームジャンル選択がそこまで重要か理解していなかったり、または「コスト」「開発期間」などの制約から逆算して

「つくりきれるゲームジャンル」

を選んでいるケースもあります。

ゲーム企画書を作成するときには、なぜそのゲームジャンルを選んだのか?まで踏み込んで考えることをおすすめします。

②現時点での競合タイトル

ゲームマーケット自体はレッドオーシャンです。

強豪タイトルがひしめいており、新しいゲームをリリースする上で

必ず競合タイトルが存在すると思ってください。

競合とは皆さんが書いているゲーム企画書とユーザーを取り合う相手になりますが、そんなユーザーを取り合う相手に対して、

「そのゲーム企画書で勝ち目があるのか」

この視点は非常に重要です。

面白そうだけど、競合タイトルからユーザーを奪えるほどの強さがないなら、ゲームの企画書としては弱いです。

2年後のゲーム市場予測

ゲームの企画書を書いている人の多くは「いま現在」を軸に考えています。

これは、そのゲーム企画が失敗する原因の一つとも言えます。

なぜなら、そのゲームの企画書を通したとしても

実際に開発着手して完成、配信するまでには1年から2年、もしくは3年くらいかかるかもしれません。

これは家庭用ゲーム、スマホゲーム共通の話であり、

「いま現在売れるゲーム」ではなく

「数年後でも売れるゲーム」をつくる必要があります。

もう少し言い換えると

「いま競合タイトルと戦えるゲームでは」

「数年後では古くなってしまって戦えません」

2年後の世界がいまとは全く異なる世界になっているかというとそうではないのですが、ただし2年後に「古臭さ」「既視感」「退屈さ」を感じさせないゲーム企画は必要です。

③ターゲット

ゲーム企画書の多くには何かしらその企画のターゲットユーザー像が書いてあります。

しかし、書かれているターゲット像は

「30代・男性・アニメ好き・会社員」

くらいの粒度にとどまっているものが殆どです。

一見、「30代・男性・アニメ好き・会社員」というターゲット設定は非常に細かく設定されているように感じる人もいるかもしれませんが、

マーケター視点から見ると「非常にふわっとした不明確なターゲット設定しかでいていない」という回答になります。

・30代男性

家族構成は?可処分所得、可処分時間は?いま遊んでいるゲームは?

・アニメ好き

どんなアニメが好きで、どんなタッチの絵が好きで、現在過去でハマったアニメは?

・会社員

一緒にゲームをする人、もしくはゲームの会話ができる人はいるのだろうか?

使っているSNSや情報入手先は?

 

このくらいの深堀は最低限必要です。

いわゆる「ペルソナ分析」が必要なのですが、「ターゲットユーザー像」を明らかにすることで、そのターゲットにハートを射止めるゲーム企画書を作りやすくなります。

ゲームは趣味嗜好の塊のような商材ですから、ここでターゲットユーザー像が「ふわっと」していると、「ふわっとしたゲーム企画」になってしまい、結果的に「ふわっとしたありきたりで尖りのないゲーム」が作られてしまうのです。

ペルソナ分析についてはこちらの記事でも書いています。

見た目も面白そうで遊んだら面白い企画か

以前、「ゲーム開発はラーメン作りと同じ」という記事を書きましたが、

・見た目が面白そう

フックがある、惹きがある、プレイしたくなるきっかけがある

・遊んだら面白い

実際にインストールしてプレイしたら「見た目が面白そう」という期待値に対して一致した、もしくは期待値を超えた

というこの2点は重要です。

ここはゲームプランナー、クリエイターの腕の見せ所ですから是非、頑張ってください。マーケターが口を出す場所ではありません。

ただしひとつポイントをあげるならば

「見た目はつまらなそう」「でも遊んだら面白い」

というゲーム企画は避けて欲しいのです。なぜなら実際のゲーム配信の際にうまくいかない、苦労するからです。

なぜなら、「見た目はつまらなそう」という時点でインストールさせることに苦労するからです。

面白いゲームって、スクリーンショットも「スクショ映えする」ものです。

「スクショ映え」するゲームって、その面白さが「伝搬しやすい」性質を持ちます。

よっていつもゲームクリエイターにインプットしていることは

「見た目はまずそうだけど、食べたら美味しいラーメン」は二流です。

「見た目も美味しそうで、食べたら美味しくて病みつきになるラーメン」を作ってください。

 

と伝えています。

だってアプリストアの1枚目のスクリーンショット

そのゲームの新作発表における最初のティザー動画

そのファーストインプレッションでユーザーの興味を惹けるかでゲーム事業は決まってしまうからです。

そこで躓いても後で挽回できなくはないですが、レッドオーシャンな市場ですから躓くと成功できるチャンスは減ってしまいます。

社内だけでなく社外の第三者機関による目利きレビューを受けよう

そんな感じで作成したゲームの企画書ですが、

社内だけでなく、社外の目利きの人に見てもらう事をおすすめします。

仮に社内に凄腕の「ゲームの目利き」がいても、その人の意見だけではバイアスがかかってしまいますし、「そもそも本当に目利き力があるのか?」というと疑問です。

もし「ゲームの目利き」が社内にいても大いに疑問を持っていただくのが健全ですし、おすすめです。

もちろん、社内に「ゲームの目利きがいない」というケースもあります。

そして、ゲームの企画書フェーズで重要な「目利き力」を分解すると次の2つになります。

・ゲームクリエイターとしての目利き:純粋なゲームとしての面白さ

・マーケターとしての目利き:ゲーム事業としての勝ち目があるか

 

トロネコはマーケターなので、今回ご紹介した「マーケター視点」でゲームの企画書をレビューすることになります。

ここで重要なのは「ゲームクリエイター」としての目利き力が必要であり「ゲーム開発者」としての目利き力は必要としてないという点です。

一番最初のゲーム企画書段階でのレビューですから、この企画書に盛り込まれている「ゲーム内容」が「ただ純粋に面白いか」が

そこを判断する必要があります。

既存のパーツを組み合わせた「面白さ」ではなく

「遊び」として「面白いのか」を判断できるのは「ゲーム開発者」ではなく「ゲームクリエイター」だと思います。

なぜなら「ゲームクリエーター」が「遊びを発明すること」に長けた人材だからです。

 

IPを使ったゲーム企画における注意点

ところで最後にちょっとだけ追加インプットをしましょう。

最近は新規ゲームに有名IPを使うことが増えていますが、有名 IPを使ったゲーム企画書を作成する上での注意点があります。

ここでいう有名IPとは人気アニメ、漫画などの版権モノを指します。

IPという言葉についてはこちらの記事でも書いています。

・有名IPとゲーム企画における期待値のギャップ

たとえば有名漫画のゲーム化をするとしましょう。

そして、その漫画の内容はアクションや戦いをメインにした内容だとしましょう。

それなのにパズルゲームを作ってしまうとIPに対するユーザー期待値とのギャップが発生します。

パズルゲームという「遊び」が、この有名漫画とあまりにもギャップがあるからです。ギャップが大きいほど事業として成功しにくいですし、ゲームというよりもキャラクターグッズ展開のような見え方になりますので、有名漫画IPが持つポテンシャルを使いきれなかったりします。

・原作再現によるギャップ

原作ファンの熱量が高く、原作を外れた展開にまだ慣れていない状態ならば、原作と矛盾するストーリーやキャラ設定は原作ファンからの不満を生み出します。

一方で例えば「ガンダム」のように、原作展開が多様化し、いろいろな展開にファンが慣れている状態なら、原作再現によるギャップはある程度許容される可能性もあります

・キャラクター表現によるギャップ

原作と比べてゲーム内の「キャラの顔」がおかしい、デザインが崩れているといった部分もIPを使った企画では注意が必要です。

企画書でキャラクターの顔までフォローしきれないし、「紙の企画書はそこまで見るモノではない」という意見もあると思いますが

視点を変えると

例えば「原作ではキャラの表情が印象的なのに、ゲームの中では顔が1枚絵で変化がない」という場合も、キャラクター表現による期待値に対するギャップとなります。

・ゲームクオリティにおけるギャップ

有名IPを使うことでどうしてもファンの期待値はあがります。

期待値があがることでユーザーの中でこのIPタイトルにおいて「最低限あるべきゲーム内容の基準」があがります。

これはどういうことか、イメージ例をあげると次のようなゲームクオリティをファンは期待します。

原作IPゲームだからこそ

「あのキャラクターが登場して」

「あの必殺技を駆使したバトルができて」

「原作通りにストーリー追体験できて」

「獲得したストーリーや名シーンはあとで見返せるはず」

つまりNonIPタイトルに比べて、有名IPを使うことでファンの求める要望は高くなるというわけです。

まとめ

今回、「マーケティング視点で分析・売れるゲーム企画書の書き方・作り方」というテーマで話をしました。

トロネコはゲームプランナーでも、ゲームクリエイターでもないので「遊びの発明」はできません。

しかし、今回インプットした項目をゲーム企画書に盛り込むことで、そのゲームの成功確度はぐーんとアップしますし、企画も通しやすくなるはずです。

マーケティングスキルはマーケターだけが持っている特別なスキルではなく、あらゆる人が持っておくべき一般的なスキルだとトロネコは考えます。

ぜひ、今回の記事が皆さんの「ゲーム企画書」作成のお役に立てれば幸いです。

というわけで今回はここまで!

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