【保存版】ハイパーカジュアルゲームのマーケティング教科書(プロセスとKPI)

スマホゲーム
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ハイカジでヒットを生み出すスマホゲームアプリマーケティングの方程式

こんにちは

マーケティングスペシャリストのトロネコです。

今回はいまゲーム業界で要注目の「ハイパーカジュアルゲーム」について

ヒットを生み出す方程式をお話します。

ネットを検索すれば出てくる情報もありますが、情報の粒度がバラバラだったり、情報が断片的だったりします。

今回の記事を読めば

知りたいことがほぼわかるようにしましたので、ぜひ参考にしてください。

 

ちなみにハイパーカジュアルゲームは一般的なゲームアプリと全く異なるため、大手ゲーム会社からすると、ゲーム事業として興味関心が薄いかもしれません

しかし、ハイパーカジュアルゲームは

・海外に踏み出す第一歩をつくれる

・ローリスク、ハイリターンを目指せる

・マーケティングスキルがあれば成功確率を狙ってあげられる

・資本がないインディーズにもチャンスあり

という側面があります。

 

特にインディーズクリエイターにとっては、ハイパーカジュアルゲームのヒットを、さらにその上を目指せる「きっかけ」としても活用できます。

現在、ハイリスク、ハイリターン、ゲーム開発が数年に渡るようになった現在、大手ゲーム会社の若手クリエイター、マーケターを育成する手段としても有効です。

でも、ハイパーカジュアルゲームをどうやったらヒットできるのか、いまいちわからないですよね。

そこで今回は

ハイパーカジュアルゲームとは何か?

ヒットを生み出す方程式とは何か?

みんなが知りたかった事について全部お話します。

 

ハイパーカジュアルゲームとは?

ハイパーカジュアルゲームのターゲットは非ゲームユーザーです。

非ゲームユーザーが暇つぶしに遊べるカジュアルゲームになります。

よって

「ゲーム内課金」「ゲーム内運用」が基本的に存在しません。

ゲーム内に表示された「広告収入」が主な収入源になります。

ポイントは

「非ゲームユーザー向けのゲームアプリであり」

「ゲーマー向けではない」

という点です。

そして配信ターゲットは全世界となります。

 

ゲーマー向けではなく、配信ターゲットは全世界になるため

「言語に依存せず」「ルール説明不要」「直感ですぐ理解して遊べる」

そんなゲームアプリが重要です。

 

主な市場は米国であり、日本も有効な市場です。

デジタル広告をまわしてユーザーを獲得することでハイパーカジュアルゲームの事業はまわります。

ユーザーLTV  ÷ 獲得CPI =ROI

LTV:獲得したユーザーがそのゲームの中で落とすお金(ハイカジはゲーム内広告収入モデルですから、ゲーム内の広告をクリック、インストールすることでもたらされる広告収入がLTVになります。

CPI:ユーザーを獲得するためにかかったコスト

ROI:投資に対するリターンの指標

つまり

ユーザーLTV:50円  ÷ 獲得CPI:25円 =ROI:2.0

となります。25円投資したら2倍になって帰ってくるのでROI2.0となるわけです。つまり、ROIが1.1を超える限り、ユーザーを獲得しても利益を生み出します。

(ROI1.0以下だとユーザーをデジタル広告で獲得すればするほど赤字になります)

ちなみに、ゲーム内広告による収入が成立する地域や国がハイパーカジュアルゲームのメイン市場となります。

ハイパーカジュアルゲームの市場規模は?

ハイパーカジュアルといっても様々なジャンルがありますのでゲームジャンルの選択によってユーザーの属性が異なります。

さらに配信する国の経済状況や、AppStore、googlePlayでもユーザー層が異なります。

後ほど「配信までの手順」をお話しますが、本格配信前に配信テストを行いますが例えば下記のような違いも存在します。

米国とロシアとメキシコとインドでは人気のゲームジャンルや内容に差分があるし、ARPU、LTVも異なります。

下記の記事は参考になりますが、国によって収益性が異なるという点は押さえておく必要があります。

参考:カジュアルゲームで「稼げる国と稼げない国」収益性データで分析(Appmarketinglabo.net)

収益性については下記の記事で「snowball.io」というゲームが2,000万DLで8億円の売り上げをあげたとありますが、1ダウンロードあたり40円というのは平均値に近い数字です。

参考:売り上げ8億円のハイパーカジュアルゲーム[snowball.io」(Appmarketinglabo,net)

米国で配信した場合、ハイパーカジュアルゲームの平均LTVはおおよそ0.3ドルくらいになるからです。

ハイパーカジュアルゲームの世界的トップメーカーといえばフランスのVoodooという会社がありますが下記の記事によると2020年1月から8月までにVoodooは

参照:インターアローデジタル市場レポート2020年9月号

AppStore170タイトル

GooglePlay 99タイトル

合計で9.3億ダウンロードを記録しています。

単純計算はできませんが9.3億ダウンロード×0.3ドルをかけると2.79億ドルという広告収入が計算上では算出できるわけです。

もちろん全てのハイパーカジュアルゲームがヒットするわけでありませんし、上位タイトルと下位タイトルではARPU、LTVが同じ0.3ドルではありません。

また、配信地域によって、この0.3ドルは変動します。

しかし、成功すればかなりの大きな市場規模があるというのはわかると思います。

ちなみにハイパーカジュアルゲーム市場全体では年間で30億ドルあるとされています。

参照:ExchangeWireJapan

 

2020年からのハイパーカジュアルゲームの市場変化

ハイパーカジュアルゲームですが2020年からはちょっと状況が変わってきました。

この変化に対してどう対応していくかが、これから成功を収めるためのポイントになりそうです。

Androidの世界的普及による米国以外でのダウンロード数の増加

→インド、ロシア、ブラジル、メキシコなどが増加しています

参照:インターアローデジタル市場レポート2020年9月号

競争の激化による中小企業のハードルが高くなってきた

→大手ゲーム会社もハイパーカジュアルゲームに乗り出してきています。

 

広告収入モデルの頭打ち

→広告収入だけでは成長の鈍化が想定されており、ゲーム内での微課金やその他のマネタイズも検討が必要となってきています。

運用型ゲームへの移行を模索

のちほどお話しますが、ハイパーカジュアルゲームは1ヶ月で全ユーザーが入れ替わるという「極めて継続性のない、継続率の低いゲーム」なのです。

これは一般的な運用型ゲームとの大きな違いなのですが、ここを離脱させず継続性を少しでも維持できれば、さらに事業を拡大できるという考え方があります。

 

雲行きが怪しく、これから参入しても結果を出せるのか不透明な印象を持たれたかもしれません。

とはいえ、まだまだハイカジの可能性はあります。

でも、これまでのやり方では成功打率が上がらなくなってきたのは事実なのです。

 

ハイパーカジュアルゲームのマーケティングKPI

一般的な運用ゲームアプリと違ってハイパーカジュアルゲームの場合は基準KPIが異なります。

ハイカジ事業における重要KPIである「継続率」「LTV」「CPI」について解説していきましょう。

継続率は低め

ハイパーカジュアルゲームの世界的企業であるVoodooのセミナー映像では

広告をかけて投資するゲームアプリの基準となる継続率を以下に設定しています。

1日目:45%、7日目:17%、獲得コストCPI:0.25ドル以下

これは一般的なゲームアプリと比べると極めて低い数字になります

一般的なアプリの及第点としては下記のようになります。(あくまでも参考値ですよ)

1日目:50%以上、7日目:30%以上、獲得コストCPI:300円から数千円程度

つまり安いCPIで獲得しながらも、そのユーザーの継続率はあまり良くないというわけです。

ちなみに前のパートで米国におけるハイパーカジュアルゲームの平均的なARPUを0.3ドルと記載しましたが、獲得コストが0.25ドルならROIは1.2となります。

実はトロネコはARPU=LTVだと考えています。

そんな情報はネット上では見つからなかったのですが、

ハイパーカジュアルゲームの場合、インストールから30日経過でほぼ継続率が0に近くなるからです。だからARPU=LTVというわけですね。

つまり長くても1ヶ月でユーザーが入れ替わってしまうというわけです。

仮に1億ダウンロードを獲得しても、ユーザーは日々入れ替わっていくというわけですから運用型ゲームが不可能という考え方がハイカジにはありました。

ただし、先ほどお話したように、獲得したユーザが辞めていくのをそのまま見過ごしてしまうのは勿体無いという考え方もあり、これが2020年のハイカジ事業における大きな進化につながるかもしれません。

Hyper-casual in a Hypercompetitive Market – Voodoo

CPIとLTVの指標は

・広告経由での獲得コストは30円から40円

・広告経由での獲得LTVは60円から70円

下記のsnowlall.ioさんの記事でも書かれていますが、この数字はかなり現実に近い数字だと思います。

参考:売り上げ8億円のハイパーカジュアルゲーム[snowball.io」(Appmarketinglabo,net)

 

数字の振れ幅は

・配信地域

・ストア(GooglePlay/AppStore)

・アプリのジャンル、内容

・デジタル広告のクリエイティブ内容

・デジタル広告の媒体

などによって変動します。

つまりこれら要因によって獲得するユーザーの質(LTV/継続率)が異なるというわけです。

 

一般的なゲームもゲームタイトルごとにLTV、CPIは変動しますが

・広告経由での獲得コストは300円から2000円

・広告経由での獲得LTVは500円から10000円

このくらいのブレがあります。

タイトルによってはもっとブレがあるかもしれません。

一般的な運用型ゲームタイトルの場合は数ヶ月から数年かけて獲得コストを回収するのですが、ハイパーカジュアルゲームはゲームの賞味期限が短いため、長くても1ヶ月以内に回収しなければならないという大きな違いもあります。

ハイパーカジュアルゲーム成功の方程式

ここまでの話を聞いて

マーケターならハイパーカジュアルゲームについて興味を持ってくれたかもしれません。ならば嬉しいです!

なぜならマーケターが関与できる領域が普通のゲームアプリよりも大きく、高速でPDCAをまわしていく楽しさがあるからです。

そこで、このパートではハイパーカジュアルゲームの成功の方程式について、まずは一般論を説明しましょう。現在の成功の方程式は下記の7つのプロセスがベースになります。

この方程式は不変ではなく常に変化していますが、現時点ではこちらが「正」と考えて問題ないでしょう。

※今後、トロネコ的にも考え方の変化があれば記事はアップデートしていきます。

①言語に依存しない直感でルールが理解できるシンプル、かつ継続性の高い企画を用意する

繰り返しますが以下を必ず念頭に置いてゲーム開発をしてください

ゲーマー向けではなく、配信ターゲットは全世界になるため

「言語に依存せず」「ルール説明不要」「直感ですぐ理解して遊べる」

②1週間程度でプロトタイプ版を開発する

プロトタイプ版を開発して自社内でもチェックし、アプリストアに公開するタイトルを決めます。

1週間で作る程度の規模感なので「低コスト」「数」が必要となります。

ちなみに下記の記事から世界No1のハイカジゲーム会社Voodooは毎月20タイトルをアプリストアで公開している計算になります。

しかし、その裏にはアプリストアでの公開に至らなかったタイトルも相当数あると思われます。

参照:インターアローデジタル市場レポート2020年9月号

③アプリストアで公開、テスト広告を投下してKPIチェックを行う

下記の記事では111%という会社はテスト広告については、全世界に対して1日2万円の広告を3日間投下して

継続率、適切な広告媒体の選定を行なっているようです。

参考:カジュアルゲームで「稼げる国と稼げない国」収益性データで分析(Appmarketinglabo.net)

つまり、このテスト期間において、このゲームをその後、広告費をかけるにふさわしのか判断するために

1週間の継続率、獲得CPI、LTV、適正な広告媒体といったKPIチェックを行うわけです。

ここのテストは結構重要です。

なぜなら「ここで決めたこと」「テストの結果をアプリに反映すること」これらによって、1ダウンロードあたりのLTVが決まるからです。

④一定のKPIをクリアできないアプリは即時終了、またはゲーム改修する

テストを経て見込みがないと判断されたアプリは放置されるか、その後の投資をストップします。

見込みがある場合はテストの結果を反映したり、ステージを量産するなどの作業を行い遅くても1ヶ月以内にアップデートをかけます。

⑤テスト結果を元に1ヶ月以内にアプリアップデートを行い広告を投下する

アップデート後、ゲームに大きな問題なければ、広告を投下していきます。

snowball.ioの記事では米国で1位を獲得した際に1日で40万インストールを広告経由で獲得したと記載されています。

CPIを30円とした場合でも40万インストールには1,200万円のコストが必要になるわけです。

参考:売り上げ8億円のハイパーカジュアルゲーム[snowball.io」(Appmarketinglabo,net)

⑥デジタル広告のROIが基準をクリアする限り投下し続ける

先ほど下記のお話しをしました。

ユーザーLTV  ÷ 獲得CPI =ROI

LTV:獲得したユーザーがそのゲームの中で落とすお金(ハイカジはゲーム内広告収入モデルですから、ゲーム内の広告をクリック、インストールすることでもたらされる広告収入がLTVになります。

CPI:ユーザーを獲得するためにかかったコスト

ROI:投資に対するリターンの指標

つまりLTVが1.1を超える限り広告経由で獲得したユーザーは利益を生み出しますので、キャッシュフローがまわり続ける限り広告投下が可能というわけです。

ROIの数値設定はゲーム会社の方針によってバラバラですがROI:1.5以上が一つの目安だとトロネコは考えています。

ハイパーカジュアルゲームのライフサイクルを1ヶ月とした場合、ROI1.5とは

今日支払った100円が1ヶ月後に150円になって戻ってくるという意味になります。これはビジネスとして悪くない話だからです。

逆に1.5の回収ができなければ、ゲーム会社において、その資金は別の事業に投資した方が投資効率が高いと経営層は考えるかもしれません。

⑦デジタル広告のROIが基準をクリアしなくなった時点で撤退する

ROIが1.0を切ってきたら広告運用は辞めて放置するか

もしくは改修することで改善はできないのか検討します。

ハイパーカジュアルゲームはトレンドの移り変わりが激しいジャンルなので、新しいアプリを開発して投資していくという考え方が一般的です。

しかし、その一方で長く改修しながら繋いでいくという考え方もあります。ここは、会社や、開発チームやプロデューサーの方針による部分が大きいのでうs。

ハイパーカジュアルゲーム成功の方程式に対する課題

ところでハイパーカジュアルゲームには様々な課題もあります。

ここについては、まだ深く掘り下げられているゲーム会社も少ないので項目だけピックアップしておきましょう。

大手ゲーム会社が続々と参入し、完全なレッドオーシャン化する中で、トロネコ的にはこのあたりをうまく解決できるかが生き残れるポイントだと考えています。

・2番目、3番目のヒットが生まれにくい再現性の低さ

・大量開発、大量リリースへの過度な依存

・ジャンルやターゲット分析に対する甘さ

・コスト、開発期間に対する意識の低さ

・ゲームクリエイターによっては得意不得意あり

・ヒットしたらすぐにコピーされるためアドバンテージ期間が少ない

・大手ゲーム会社参入にあたりゲーム業界の固定概念が邪魔をする恐れあり

・うまくPDCAをまわせるマーケター人材が少ない

 

まだまだありそうですが

このあたりをトロネコはシューティングしたいと思っています。

その上で前のパートでもお話しましたが

・Androidの普及による米国以外でのダウンロード数増加

・広告に代わる収益モデル

・運用型ゲームによる商品サイクルの延命

これら要素を掛け合わせていくことで、独自の成功の方程式は作り出せるでししょう。

この辺りの話は本当に深くなってしまうので、今回の記事からは除外させてください。

2020年、大手ゲーム会社がハイカジ市場で成功するために

今後、大手ゲーム会社がハイパーカジュアルゲームに続々と参入してくると思われますが、大手ゲーム会社だからこそできるリソースの投下が、やや出遅れたハイパーカジュアルゲーム市場でいまから成功を収めるヒントだと思います。

・版権IPを活用する

・コピーできない大手ゲーム会社の開発資産の活用

・大型家庭用ゲームやスマホゲームのサブゲームとしての開発

・豊富な人材の活用(マーケターの任命)

 

これらについては大手ゲーム会社は圧倒的な資産を持っていますので、使い方を間違えなければ、今からでもハイカジ市場を席巻することは可能なのです。

まとめ

今回、ハイパーカジュアルゲームについて書いてみましたが、いかがでしたでしょうか?

マーケティングが関与できそうな部分が結構あると思いませんか?

ちょっと興味が出てきたら、ぜひマーケター視点で社内で提案してみてはいかがでしょう。

というわけで今日はここまで!

 

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