「課金ユーザー」だけに注目すれば スマホゲームマーケティングはシンプルに整理できるかも!?

マーケティング


こんにちは
マーケティングスペシャリストのトロネコです。

今回は超シンプルな話をします。

それはスマホゲームマーケティングにおける「DAU」とか「新規ユーザー獲得」とか「LTV」「ARPU」とか全部忘れてしまって、課金ユーザーだけの事を考えればスマホゲームにおける複雑なゲームマーケティングがシンプルに説明がつくのではないか?

という話です。

ちょっと乱暴な話になってしまいますが、今回お話しする「課金ユーザーだけに振り切る」という視点は、当サイトを読んで頂いている皆さんにとって新しい「気づきの発見」に繋がるかもしれないので、あえて振り切った話をしたいと思います。

【目次】
・家庭用ゲームで重要なのはパッケージ購入ユーザーである事実
・スマホユーザーの場合は「ノイズ」によって重要なユーザーが見えにくい
・課金ユーザーに振り切るとマーケティング戦略がシンプルになる

家庭用ゲームで重要なのはパッケージ購入ユーザーである事実

トロネコは10年以上、家庭用ゲーム業界でマーケターをやってきました。

家庭用ゲーム業界とは「パッケージ販売ビジネス」であり
発売日にお店に並んで売れることによってゲーム会社の売上が確定します。

(厳密にはお店に並んだ時点で売上は確定している受注ビジネスなのですが、お店で実際に売れないと追加受注が来ないので体裁上、このように表現しています)

つまり、家庭用ゲームはパッケージビジネスである以上
お客様=パッケージ購入者(≒課金ユーザー)となります。

 

家庭用ゲーム会社はパッケージ購入者の意見を「発売後アンケート」や「ユーザー調査」を持って把握し、次回作に活かします。

家庭用ゲーム会社によって価値あるユーザーは「パッケージ購入者」であることは疑う余地はありません。実際にゲームを購入してない「体験版だけ遊んだユーザー」「中古ショップで購入したユーザー」の声はあまり重視しないのです。

ここまでは理解しやすい常識的な話だと思います。

スマホユーザーの場合は「ノイズ」によって重要なユーザーが見えにくい

一方でスマホユーザーはこちらの記事でも書いたように3つのユーザーによってインストールユーザーが分類され、DAUが構成されます。

新規ユーザー 今日、インストールした人
既存ユーザー 既にインストールして遊んでいる人
復帰ユーザー 一度辞めたけど何かしらのきっかけで戻ってきた人

スマホゲームの場合は、これら3つのユーザーの意見に耳を傾けゲームを改善しようとしがちです。

なぜなら、これらユーザーがDAUを構成するユーザーであり、DAU改善を目的としたマーケティングの場合、耳を傾けないわけには行きません。

しかし、注目して欲しいのはこの3つのユーザーのすべては「パッケージ購入ユーザー」に相当する「課金ユーザー」ではありません。

スマホゲームの課金率は「ゲーム中身」「ゲームジャンル」「IP版権モノ、または新規オリジナルモノ(既存ファンの有無)」によって変動します。一般的にDAUの2%から5%くらいが課金率のレンジになります。(中には課金率10%といったゲームもありますが、レアケースです)

家庭用ゲームの常識からすると、パッケージ購入者(=課金ユーザー)の声だけを重視するべきなのは疑いの余地はありません。しかし、スマホゲームの場合、「DAUを作ること」を目的にしてしまうと「課金ユーザー」「非課金ユーザー」関係なく全方位的にユーザーの意見に耳を傾けようとします。

しかしここで問題が生じます。

わかりやすいように表を作ってみましょう。

課金ユーザー 非課金ユーザー
新規ユーザー 新規ユーザーA 新規ユーザーB
既存ユーザー 既存ユーザーC 既存ユーザーD
復帰ユーザー 復帰ユーザーE 復帰ユーザーF

スマホゲームではDAUを構成するユーザーだけでも「ざっくり」分けると最低でも6種類のユーザーが存在します。(実際にはもっと細かく分けられるし、分けないとマーケティング戦略は作れませんが、今回はわかりやすいように簡易的に分けています)

これら6つのユーザーの求めるニーズ、要望は同じではないのです。
それぞれユーザーの状態、ゲーム体験、趣味嗜好も異なります。

ここで質問です。

マーケター、ゲーム開発の皆さんのゲーム事業の目的は何ですか?

「ユーザーに楽しんでもらえる面白さを提供すること」かもしれませんが、売上利益が確保できなければサービスは継続できません。

そこで、みなさんは、あなたのゲームタイトルを成功させるためには、どのユーザーの意見を重視し、ゲームのアップデートや運営計画を設計すべきですか?

ゲーム事業継続のためには間違いなく「課金ユーザー」を重視する必要があります。(とはいえ非課金ユーザーを無視しようという話ではなりませんよ)

つまり、「課金ユーザー」をないがしろにすると、このゲームは運営継続できなくなりそうです。しかし、ちゃんと「課金ユーザー」の事を考えていますか?

実は課金してくれるかわからない、ユーザーばかりに注力して、DAUを維持改善することに意識が向いていませんか?

課金ユーザーに振り切るとマーケティング戦略がシンプルになる

6つのユーザー区分があり、それぞれのユーザーのニーズや課題はバラバラです。
実際には共通する部分もあるかもしれませんが、完全一致という事はまずありません。何かしら違いがあるはずです。

課金ユーザー 非課金ユーザー
新規ユーザー 新規ユーザーA 新規ユーザーB
既存ユーザー 既存ユーザーC 既存ユーザーD
復帰ユーザー 復帰ユーザーE 復帰ユーザーF

そんな「違い」がある6つのユーザーに対して、ゲーム内外の共通施策で6つのユーザーをカバーできるわけはありません。

よって「マーケティング戦略」を立てて、注力すべきターゲットユーザーを決めて、そこに対するゲーム内外の施策設計をしているはずです。

「DAUをつくること」に注力すると、
「新規ユーザー、既存ユーザー、復帰ユーザーを取らなければならない・・・・」といった「八方美人」のような「曖昧なマーケティング戦略」に陥りがちです。

でも、そうしないとDAUを構成するユーザーを集めてこれないから、仕方なくそうしているマーケターは多いかもしれません。

でも、新規ユーザーって獲得した翌日に半分、1週間で7割は辞めてしまいますし、離脱ユーザーを戻しても再び辞めやすいですし、LTVも新規ユーザーの半分以下になります。

そんな荒波を乗り越えて、残ったのが「既存ユーザー」であり、さらにその中で「課金」してくれるのが「課金ユーザー」なのです。

そこで、いろいろなユーザーのことは一旦全部忘れて「課金ユーザー」だけに絞って注目してみるのはいかがでしょうか?

・このゲームを課金してくれるであろうユーザーのペルソナを明確にする
・そのユーザーがこのゲームに求めるモノを徹底的に研究して提供する
・課金ユーザーを徹底的におもてなしして、長く遊んでもらう

マーケターとして、本来やるべきことは「DAU作り」ではなく、このゲームを事業として成功させ、その結果、多くの人に長く遊んでもらう状態作りです。そう考えれば、まずやるべきことは非常にシンプルです。

「課金してくれるユーザーの声に耳を傾け続ける」

非常にシンプルなマーケティング戦略だと思いませんか?

課金ユーザーだけに絞るとCBT・OBTの目的も変わる

CBT、OBTに様々な目的を課すケースが多いですが、CBT、OBTは万能ではないので、本来は目的を絞るべきです。

多くのケースで下記を目的にしたCBT・OBTが実施されています。

サーバー負荷テスト
バグチェック
インストール数に対する継続率(離脱ポイントの抽出)
ユーザー満足度・改善点の抽出

しかし、課金ユーザーだけをターゲットにすれば重要なのは「課金マインドの創出」「課金ポイントチェック」「課金からの消費サイクルの確認」・・・・みたいな目的に振り切ることができます。

「なぜならゲーム事業存続のために重要なのは、家庭用ゲームのパッケージ購入に相当する課金ユーザーだからです」

そうすると、一般的なCBT・OBTでは「課金」を実装しないので、それでは意味がなく「課金」を実装した状態でのテストが必要になります。

・・・・と考えていくとCBT・OBTのあるべき姿、設計方法が変わってくるのです。

まとめ

今回、「気づき」のためにちょっと極端なテーマで話をしましたがいかがでしたでしょうか?

実際のところ、「課金ユーザー」だけに注力すればいいか?といえばそうではありません。なぜなら、「課金してくれないユーザー」も、このゲームを支え、その魅力を広めて、新しいファンを連れてくる重要なユーザーだからです。

そして、ゲーム課金以外で、このゲームと長く付き合って頂ける可能性もあります。それがIP戦略のベースになります。

よって今回の話は「課金ユーザーだけに傾倒しよう」というわけではありませんので誤解がないようにお願いします。

ただし、家庭用ゲームにおいてはパッケージ購入ユーザー=重要ユーザーとなるのは事実であり、スマホゲームの場合は基本プレイ無料ゆえにマーケティング戦略のブレを引き起こす「ノイズ」が多すぎるという欠点があるのです。

マーケターとしては「ノイズ」を除去して、本来、耳を傾けるべき「音」を明確にするという視点も重要です。

というわけで、今回はここまで!

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